【カメラ散歩】宮沢賢治童話村と久石譲さん

イーハトーブ。宮沢賢治による造語で、理想郷を指す言葉です。宮沢賢治の故郷である岩手県花巻市には宮沢賢治 童話村があります。7月27日から10月7日までライトアップが行われており、光と自然により作品の世界観が表現されています。8月25日、26日にはイーハトーブフェスティバルが開催され、演奏家による演奏や、朗読、野外映画上映が行なわれました。5回目を迎える今年は、25日に久石譲さん、26日に鈴木敏夫さんがゲストとして迎えられ、夜には『風の谷のナウシカ』の野外映画上映が行われました。

童話村

山を登り駐車場に車を停め、小さな坂を下ると、童話村が見えてきます。周りに広がる木々の緑、作品世界を表現した建築物、太陽に照らされてきらきらと光る水面。多くの子供たちが遊んでいます。用意された椅子に座りコンサートや朗読を聴く人もいれば、持参の椅子やキャンプシートでゆっくりとしている人もいました。

童話村とジブリ

冒頭で話したように、イーハトーブフェスティバルではジブリに関係する方々がゲストとして毎年来ています。以前は高畑勲監督がゲストとして出演されていました。スタジオジブリの二大監督である高畑勲監督と宮崎駿監督は、両者共に宮沢賢治のファンであることが知られています。たとえば高畑勲監督『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994年)は、宮沢賢治へのオマージュが捧げられた映画であり、「双子の星」「風の又三郎」「注文の多い料理店」「銀河鉄道の夜」などが引用されています。一方、宮崎駿監督も『となりのトトロ』(1988年)で「どんぐりと山猫」、『千と千尋の神隠し』(2001年)で「銀河鉄道の夜」を引用しています。

久石譲さんと風の谷のナウシカ

久石さんのトークでは、となりのトトロの「風の通り道」と千と千尋の神隠しの「あの夏へ」の生演奏を聴くことができました。ジブリ好きな私にとって本当に幸せな時間だったように思います。興味深かった話を記憶を元に以下に記します。

  • 賢治の「星めぐりの歌」。サビが来た後にすぐに曲が終わってしまうという意外性。一見、素人目に見えるが、この意外性の強さがずっと心に残る。完成度が高くないふりをして、圧倒的な生命力を持っている。
  • 言葉、音楽のように時間の経過を伴う表現は全て論理的な構造をもつ。一方で絵は時間の経過を伴わないので、感覚的な要素が強い。論理的構造をもってしまう文章に対して、宮沢賢治はそれを素直に受け入れようとしなかった。詩人として言葉の持つもっと強いインパクトを信じていた。

来年も時間があれば朝から参加したいと思うくらい良い場所でした。気になった方は是非調べてみてください。それではまた。

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